高い音域を地声のように歌いたい場合は、ミックスボイスの習得が不可欠です。
ミックスボイスは「地声と裏声が混ざった声」とも言われますが、実際、定義や感覚は人によってさまざまです。
ミックスボイスを習得すると、高音域を自由自在に楽に歌えるようになります。
ここでは、ミックスボイスを習得する方法を2つの手順に沿って紹介します。
STEP1.地声を柔らかくする
【STEP1をクリアすると・・・】
・低音域から高音域まで声がスムーズにつながる
・地声と裏声をミックスする感覚がつかめる
・低い音域の声質が変わる
【概要】
ミックスボイスが出ない原因で多いのが、地声が強すぎること。
「地声が強い=力んで発声している」ため、高い音域になると声がひっくり返ってしまいます。
声帯は柔らかく、薄く伸ばすイメージで高い音域を歌うことがミックスボイス習得において重要です。
【エクササイズ方法】
では、不要な力みを取るエクササイズを紹介します。
まずは裏声音域でフクロウのように「HO〜」と発声します。
そのまま、地声音域までゆっくり降りていきましょう。
ポイントは、声がひっくり返らないようにすること。
できる限り裏声の柔らかい声質のまま、地声音域も「HO〜」と発声しましょう。
声が大きく切り替わらないよう慎重に、ゆっくり発声することが大切です。
慣れてきたら、反対に地声音域から裏声音域まで「HO〜」と発声しましょう。
そして地声音域〜裏声音域、裏声音域〜地声音域を何度も繰り返すことで、低い音域から高い音域までスムーズに歌えるようになります。
STEP2.声帯閉鎖を強化する
【STEP2をクリアすると・・・】
・高い音域も地声のように力強く歌えるようになる
・声量が大きくなる
・喉締め発声が治る
【概要】
STEP1の段階では、中音域や高音域を裏声でしか歌えず、ミックスボイス完成とはいえません。
高い音域を地声で力強く歌うには、声帯閉鎖が必要です。
声帯を閉鎖することで息漏れを減らし、地声感が出ます。
つまり「声帯閉鎖=息漏れを少なくする」と捉えるとよいでしょう。
【エクササイズ】
エクササイズを紹介します。
まず、口の前から3cmぐらいの場所に手のひらを持っていきます。
そして、「あーーーっ」と少し声を出してすぐに息を止め10秒間キープします。
このとき、出そうとする声を声帯で遮断するイメージを持ちましょう。
声を声帯で遮断すると、お腹に力が入って若干膨らむことがあります。
慣れてきたら「あーーーっ。あーーーっ。」のように、声を出して声帯で止めるを何度も繰り返しましょう。
これを高い音域でできるようになると、ミックスボイスが強化されます。
ミックスボイスっぽいのは出たけど、理想の歌声じゃないとき
「ある程度高い音域も出るようになったけど、何か理想の歌声じゃない」という方も多いのではないでしょうか。
それは共鳴だったり、声帯閉鎖が弱かったり、さまざまな原因が考えられます。
何が原因かを特定して理想の歌声を手に入れましょう。
ここでは、よくある悩みを3つ取り上げ、対処法とあわせて紹介します。
【原因1.喉締め発声になっている】
「少し苦しそう」「詰まっている」といった歌声に聞こえる場合、喉締め発声になっている可能性が高いといえます。
喉締め発声は自分でも気付きにくく、癖になってしまうと直すのは難しくなります。
また、喉締め発声で多い人は、高い音域で力んでしまっていることがほとんどです。
ミックスボイスは力まなくても発声できるので、まずは不要な力みを取ることが大事です。
喉締め発声の対処法としては、まず「HO〜」と柔らかい歌声を出すこと。
あとは舌根を下げる練習も効果的です。
鏡を見ながら、舌の付け根を上げたり下げたりしながら声を出してみてください。
【原因2.鼻声になっている】
「声が抜けない」「こもっている感じがする」「声に深みがない」といった場合、鼻声になっている可能性があります。
「鼻腔共鳴」という言葉がありますが、意識するあまり嫌な鼻声になっている人も少なくありません。
そして、鼻声になっていることに気付いていない人は案外多くいます。
鼻声になってしまう原因は、「声(息)が鼻から抜けている」ことが考えられます。
口を小さく開けて歌う人にも多い傾向にあります。
鼻声を解消する方法は、「口で歌うことを意識する」です。
鼻から一切息が漏れないことを意識して、口を大袈裟に開けて声を出してみてください。
鼻をつまんで歌うのも効果的です。
とにかく、鼻ではなく口から声が出ていることを強く意識しましょう。
【原因3.息漏れが多い(裏声っぽい)】
「高い音域が裏声っぽい」「弱々しい」「ハリがない」という場合、声帯閉鎖が出来ていない可能性が高いといえます。
つまり、息が多く漏れてしまっているということです。
対処法として、まず口の前3cmぐらいの場所に手のひらを持っていきましょう。
そして、遠くに向けて歌うのではなく、目の前の「手のひら」に向けて歌うようにしてみてください。
2025.8.1
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